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電源故障の原因検討3

電源故障の解析を行う際、抵抗値を含むいくつかの測定ポイントが重要です。ここでは、一般的なスイッチング電源やリニア電源の故障診断のために確認すべき主要な測定ポイントを示します。

### 1. **入力部分**
- **抵抗値の測定**:入力コネクタから電源スイッチ、そして入力フィルタ(ヒューズ、インダクタ、コンデンサ)の各コンポーネントの抵抗値をチェックします。特にヒューズの抵抗値が無限大(開路)になっていないか確認します。
- **コンデンサの検査**:主要な入力フィルタコンデンサの静電容量と漏れ電流をチェックします。

### 2. **変換部分(DC-DCコンバーター等)**
- **トランジスタMOSFET**:スイッチングデバイスのゲート抵抗値とドレイン・ソース間抵抗を測定します。ショートやオープンがないかを確認します。
- **ダイオード**:各ダイオードの順方向および逆方向の抵抗値をチェックし、ショートや開放を確認します。

### 3. **出力部分**
- **出力フィルタコンデンサ**:出力側のコンデンサの静電容量とESR(等価直列抵抗)を測定します。これにより、エージングによる容量の低下やESRの増加がないか確認します。
- **出力電圧**:ロードを接続した状態で出力電圧を測定し、仕様内で安定しているか確認します。

### 4. **保護回路**
- **過電流保護回路**:抵抗値測定を行い、回路が正常に動作するかテストします。
- **過熱保護センサー**:温度センサーが正しく動作しているかチェックします。

### 5. **一般的なチェックポイント**
- **基板の視覚的検査**:焼け、腐食、割れ、冷却ファンの動作状況などを確認します。
- **はんだ接続**:冷却はんだや割れはんだがないか基板上を確認します。

### 使用する計測機器
- マルチメーター(抵抗、電圧、電流を測定)
- ESRメーター(コンデンサのESR測定)
- オシロスコープ(電源の出力波形の観察)

これらの測定ポイントと方法を用いて、電源の故障診断と原因究明を行います。故障が特定されれば、適切な修理または部品の交換が可能となります。