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取り敢えずメモって置きます。電気回路/電子回路/電源技術メモ、何かに出会った時のメモ。仕事の事とか、 映画とかアニメとか音楽のこととか。いろいろ趣味で共有できたら嬉しいです。

ACDCスイッチング電源の機能 Hold-up timeって?(その1: ホールドアップ時間(Hold-up time))

ACDCスイッチング電源は交流ACを直流DCへ変換する電源装置。日本では通常、単相100V(一般家庭やオフィスなどのコンセント)と業務(店舗とか)や工場などでは3相200Vの交流が主流で、これらを直流DCで動く機器(パソコンや楽器など)に電力供給するためにある。(だいたいはパソコンや家電などの中にはいっている)。ACアダプターもACDCスイッチング電源。

電源ユニットの主な役目はこの電力変換だが、ほかにもいろいろやらなければならないことが多々ある。これらは使用する機器(負荷)や電力規模、使う場所によってもその内容が変わってくる。

その一つで停電や入力AC電圧の瞬断(シュンダン:一瞬切れること、シュンテイ:瞬低、瞬停とも言われる)が起こった時のスイッチング電源の重要な機能、パラメータでホールドアップ時間(Hold Up time)がある。
これはスイッチング電源に入力した交流AC電源が途切れたときどのくらい出力電圧の余韻があるか?それは規格で定められている時間を守る場合とスイッチング電源その物の機能、性能としても重要視されるパラメータである。

以下の波形はArtesyn(アーティセン)のLCM300Qという100VACを24VDCに変換するACDCスイッチング電源だ。(いつもArtesynですみません。どうも相性が良いらしく、ついこれを使わせてもらうことが多いのです)今回もアーティセンのLCM300QというACDCスイッチング電源を例に取りたい。

1. 一番上の黄色い線が入力のAC電圧90Vac。交流なので正弦波だ。
2. 次の赤い線はスタンバイ電源といってこの電源ユニットのメイン出力24Vdcだが、AC入力をいれたままでメインの24VdcだけをOFFすることができる。その状態がスタンバイ・モードとなり、5Vdcを出力するものである。電源外部の制御基板などへ5Vdcを供給できる。
3. 次の青はメイン出力の24Vdc。
4. この電源ユニットが直流DCを出力できる状態でいることを示すDC_OKという信号を外部へ出力させることができる。これはデジタル的にHigh/Lowの基準電圧。

一番上の黄色(入力AC電圧90Vac)が途中でなくなると次の瞬間に赤と青もほぼ同時に0ボルトになる。黄色がなくなって赤と青がなくなるまでの時間をHold-up timeと言う。この波形でいうと約27msec(ミリ・セカンド、ミリ秒)だ。
電力を供給される負荷(装置やアプリケーション)によってはこの時間がすごく重要なものがある。突然電源切られると壊れてしまったり、サーバーなんかだと大事なデータが損失して大変なことになる。
次回、またはどこかの回で詳細を各ことにしてきょうはこのHold-up timeとは何かだけメモしたかった。

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ではまた。