ACDCスイッチング電源 カレントシェア(電流シェア)って?(その1:アクティブ・カレントシェア)
電源にはカレントシェアという使い方がある。これはACDCのスイッチング電源のみならずDCDCスイッチング電源にもある。
負荷に対して1つの電源では電力容量が不足する時、同じ電源を並列に接続することで電力を補うことができる。複数の電源ユニットを並列(パラレル)接続して使う代表選手がリランダント・モード(Redundant Mode: 冗長モード)と言って複数個の電源を並列につないで運転させる。そのうちの1台が故障しても活き残っている電源が負荷への供給をし続ける。
並列接続できる電源には活線挿抜(Hot Swap)ができるものが多いので負荷の運転中に故障した電源を取り外し新品に取り合える技。データセンターのネットワーク・サーバーや計測装置など連続運転で絶対に停まることが許されない負荷に使われる。
具体的な動きはどうか?
カレントシェア(電流シェア)には4つのモードがある。
1. アクティブ・カレントシェア
2. ドループ・カレントシェア
https://kagrathe-elekecompany.hatenablog.com/entry/2022/02/15/101920
3. コンスタント・カレントシェア
https://kagrathe-elekecompany.hatenablog.com/entry/2022/02/16/103408
4. リダンダント・モード
https://kagrathe-elekecompany.hatenablog.com/entry/2022/02/17/121613
まずは、1のアクティブ・カレントシェアを見ていくことにする。(その1)
この方式は、各電源ユニットに依存して、出力電流に比例する信号を提供します。すべての電源ユニットのSWPピン、CSピン、I-シェアピンなどと呼ばれる、電源ユニットをカレントシェアとして使用する際に複数個の電源同士をつなげる、いわばインターフェース信号のような端子が相互に接続されている。この信号は平均化またはオアリング調停に使用されます。
次に、各電源ユニットは、この平均化された/またはオアリングされたカレントシェア信号を内部基準電流信号と比較し、それに応じて出力電圧を補正します。
すべての電源ユニットの内部基準電流信号がカレントシェア信号と一致すると、システムは平衡状態になります。
この方法の利点は、出力電圧が非常に狭い帯域で安定化されることであり、出力電圧が低い(つまり、3.3V以下)電源に適した方法です。
欠点は、カレントシェア信号と内部基準信号が非常に低いため(比較対象がないため)、低電流ではあまり効果がないことです。
カレントシェア信号は、電力システムを設計するときに考慮しなければならない別の制御ループをシステムに導入します
アクティブ・カレントシェア方式を使用して並列化できるのは、同じまたは類似の電源モデルのみ。これらを並列接続することで十分なカレントシェア(電流シェア)結果が得られます。
以下のグラフは縦軸がカレントシェア率、横軸は出力カレント(電流値)。この場合は2つ並列接続した場合の電流シェア率と実際の出力電流値。負荷電流が大きい方がシェア率の精度が上がり、公平に50%シェアに近づく。
以上です。
その2はドループ・カレントシェア方式を見ていきます。